注文住宅の新築にあたって、その資金調達というのは重要な課題であるといえます。こうした場合、銀行をはじめとする金融機関には、独自のさまざまなタイプの住宅ローンがありますので、いずれか条件的にもっともよいものを選択するということになります。ただし、そうした選択肢のなかでも忘れてはならないのが、おなじ住宅ローンであっても公的な融資に近いタイプのもので、純然たる民間の住宅ローンにはないような、さまざまな魅力をもっているものです。
そうした公的な住宅ローンの代表格として挙げられるのが、民間の金融機関と公的な組織である住宅金融支援機構が開発した、フラット35とよばれる長期固定金利ローンです。このフラット35では、全国的に多くの金融機関で窓口となっていますので、どこで注文住宅を新築する際にも役立つものといえるでしょう。
ひとくちにフラット35といっても、実はそのなかにはいくつかの異なるプランが含まれており、新築住宅ということであれば、より通常よりも利率などの面で有利となるフラット35Sとよばれるタイプをチェックするのが適当といえます。フラット35Sに関しては、一定の水準の住宅の技術基準を満たすことで、借り入れをする際の金利が一定の期間にわたって引き下げられるという制度がもうけられています。この制度は返済をする年限が20年以下の場合と、それ以上の場合とで利率が異なっているほか、金利を引き下げる期間が当初10年間のAプラン、当初5年間のBプランといった、ふたつのタイプのプランが存在しています。当然のこととして、引き下げの期間が長いほうが有利ですが、これはローンの対象となる住宅が満たしている技術基準レベルがより高いものほど、Bプランのようなメリットの大きいプランを選択できるというしくみになっています。
その基準に関しては、かなり詳細に決まっていますのでひとことではあらわせませんが、基本的には省エネルギー性能が高いものであるかどうか、長期優良住宅などの耐久性にすぐれたものであるかどうか、耐震性が十分に高くなっているか、バリアフリー化に配慮されているか、といったところがポイントとなっています。そのため、せっかくの注文住宅ということであれば、あらかじめフラット35の基準に見合うようなつくりを検討して、できるだけメリットが大きな住宅ローンのプランが選択できるようにしておくというのがよいといえるでしょう。